債務整理(任意整理)すると住宅ローンや車のローンが組めない? | 債務整理とは?苦しい借金問題の解決に役立つ債務整理情報 | 債務整理の相談は大阪、名古屋、東京、福岡、広島、岡山、仙台に事務所がある司法書士法人杉山事務所

債務整理(任意整理)すると住宅ローンや車のローンが組めない?

今ある借金を返済できるように整理してくれる任意整理などの債務整理は、借金に苦しんでいる方にとっては興味がある半面、生活に及ぼす影響がどの程度なのか不安に感じるところも多いことでしょう。
よく言われている、債務整理をするとブラックリストに載ってしまい、その後、ローンやクレジットカードが使用できなくなる、というような話は本当なのでしょうか。

任意整理などの債務整理後はローンを組むことは難しい

結論から言ってしまうと、任意整理などの債務整理をするとその直後は新たな借金はもちろん、新しいクレジットカードを作ったり、自動車や住宅のローンを組んだりすることはできません。
消費者金融などを含む貸金業者、金融機関は「信用情報機関」と呼ばれる公的な機関に加盟しており、自身が契約をした利用者の個人情報などをそこへ登録しています。そして、その信用情報機関に加盟している企業であれば、必要に応じて個人情報の照会が可能になっています。

任意整理、自己破産のような債務整理や返済の長期滞納は「事故情報」と呼ばれ、信用情報機関にその履歴が登録され一定期間保有されます。そのため事故情報が登録されてしまうと、それは他の登録企業にも知られてしまいます。
ローンを組む際には必ず審査があり、ローン会社は審査時に必ず事故情報を確認します。ひとたび事故情報が記載されてしまえば、その情報が削除されるまではローンを組むことは難しくなるでしょう。

債務整理後、いつになったらローンを組める?

事故情報はいつ消える?

それでは、任意整理などの債務整理をしてしまった方は、一体いつになればローンを組めるようになるのでしょうか。
事故情報の保有される期間については、信用情報機関ごとに決まりがあります。一般的な信用情報機関ごとの保有期間をまとめてみましょう。

JICC(日本信用情報機構)

貸金業法で指定されている信用情報機関で、主に貸金業者が加盟しています。

項目 保有期間
3か月以上の支払い遅延 遅滞解消日から1年間
債務整理、強制解約などの債務に関する整理行為 発生日から5年間
CIC(株式会社シー・アイシー)

改正割賦販売法で指定されている信用情報機関で、主にクレジットカード会社や貸金業者が加盟しています。

項目 保有期間
61日以上の支払い遅延 遅滞解消日から5年間
債務整理、強制解約などの債務に関する整理行為 発生日から5年間
JBA(一般社団法人全国銀行協会)

主に全国の銀行系列、一部クレジットカード会社が加盟しています。

項目 保有期間
任意整理 発生日から5年
自己破産・個人再生など、官報掲載情報 発生日から10年間

例外的なケースもありますが、通常は上記の期間内は事故情報が削除されず、その間はいわゆる「ブラックリスト」状態のようになります。
つまり任意整理であれば、手続きが完了し「和解契約書」を締結した日から最低でも5年間はローンが組めないことになるでしょう。

事故情報が消えているのにローンが組めないケース

信用情報機関が保持している事故情報に関しては、上で述べたように保有期間が決まっています。そのため、保有期間を過ぎてしまえば、ローン審査の際に任意整理が原因で審査に落ちてしまう心配はないでしょう。

しかしそれは、信用情報機関が持っている情報をもとに審査をした場合に限ります。
ほとんどの金融機関では、自社で取引をした履歴を削除せずに保有しています。そのため、一度任意整理をするとその情報は半永久的に社内に残ってしまい、任意整理した貸金業者にまた契約しようと思っても審査に落ちてしまう可能性が高くなります。これが一般的に社内ブラックと呼ばれるものです。

たとえば、ある金融機関で任意整理をおこなった場合、その後、その金融機関や系列にあたるローン会社で住宅ローンや車のローンを組もうとしても、5年以上経過した任意整理の履歴が審査に影響してしまうこともあるので、十分に注意が必要です。
ローンを組む際には、任意整理をおこなった貸金会社・銀行などのグループにあたる会社はなるべく避けて、ローン申請をすることをおすすめします。

ローンを組む前に「個人情報の開示請求」をしましょう

ローンを組む前には、自分の信用情報がどうなっているかを信用情報機関に問い合わせてみると良いでしょう。
信用情報機関には長期間の借金滞納、債務整理などの情報が登録されてしまいますが、その登録をおこなうのは加盟している各貸金業者・金融機関です。ごくまれに誤った情報が登録されていることもあり、その場合には申請をすれば削除可能な場合もあります。

また、たとえ長期間の滞納をしていなかったとしても、1、2日の返済の遅れを繰り返している場合には、返済能力がないと判断されたり、返済の意思がないと思われたりして事故情報に記載されてしまうこともあります。そうなってしまうとローン審査にも影響がでてしまい、さらにローンに落ちた事実は新たに信用情報機関に登録されてしまいます。
不安な方は必ず事前に信用情報をチェックして、マイナス要素がないかを確認しておきましょう。

事故情報があってもローン審査が通る場合もあります

事故情報保有期間は絶対にローンを組めないと説明してきましたが、審査基準は各ローン会社によって異なります。状況にもよりますが、事故情報の記載があってもローンが通ったケースもあるので、まったく希望が持てないとも言えません。
少しでも可能性が高くなるようなポイントをまとめてみましょう。

・借入比率が低い

住宅ローンなどで、頭金を十分に用意できているケースです。
過去に任意整理をおこなっていても借金を完済し、なおかつ頭金をきちんと用意できるだけの生活再建ができていれば、ある程度返済能力があると評価してもらえる可能性もあります。

・勤めている企業の信用度が高い

ローン申請者が勤めている企業の評価は、そのまま申請者の信用度になります。上場企業や歴史のある大企業は社会的な信用度が高くなりますので、ローン審査にも有利に働くでしょう。

・任意整理からそれなりの期間が経過している

5年が経っていなくても、任意整理からそれなりの期間が経過していれば、任意整理直後と比較してある程度は生活再建ができていると評価される可能性もあります。稀ですが、その他の信用度から総合的に返済可能と判断されるケースもあるようです。

借金滞納するくらいなら、潔く任意整理をおこなう判断も重要

以上のことから、任意整理後すぐに住宅ローンを組むなどでなければ任意整理が及ぼす影響をそこまで心配しなくてもいいと言えるでしょう。
たしかに5年間はローンを組める可能性は低くなりますが、だらだらと苦しい借金返済を続けていても、結局はいつまでも生活再建ができません。それでは頭金を貯めるのも難しいでしょうし、ローンを組めたとしてもやがて返済も滞ってきてしまうでしょう。

借金滞納によっても事故情報は登録され、その後のローン審査に影響してしまいます。ローンが組めなくなるからといつまでも借金を整理せず、苦しい返済を続けているよりも、滞納してしまう前に任意整理をして、少しでも早く借金問題を解決して生活再建を図る決断も、時として重要になります。